大正ロマン手帖

大正ロマン手帖---ノスタルジック&モダンの世界 (らんぷの本)

大正ロマン手帖---ノスタルジック&モダンの世界 (らんぷの本)

竹久夢二美術館の学芸員、石川桂子氏編集の大正本です。夢二をはじめノスタルジー溢れる叙情画イラストから、当時の新聞や雑誌の記事、広告コピー、写真と、大正ロマンというくくりでもなかなか一度にはお目にかかれない貴重な図版が詰まっています。特にモノクロ記事は時代を手っ取り早く身近に感じさせてくれます。竹久夢二美術館では開館20周年記念展として「竹久夢二大正ロマンの世界展」も行われています。本の解説や記事は読み応えがあるので、併せて楽しむと理解も深まると思います。とりあえず本が面白いので買っちゃいました。ただし小林かいちの図版はないです、かいち絵ファンはご注意を!


ところで、「モダン・ガール」という記事のなかに、市川節子のモデルっぽい人を発見しました。例によって今更すぎるネタなんですけど、引用。

流行よりもだいぶ早い大正八年、当時読売新聞婦人部の新人記者・望月百合子は、友人の大橋房子とともに断髪洋装を決行した。(中略)『…洋服屋があって、頼めば作ってくれると知って、房はピンク、私(百合子)は白のワンピースをあつらえた。』(注:『』内は望月百合子の著作から引用されています)


白いワンピース、ですよ!望月百合子氏は鰍沢に記念館があるほどの有名人。しかも元新聞記者。節子のモチーフになっててもぜんぜんおかしくないですよね。検索すると…たくさんいろいろ出てきます。私もめまいがしています。


ところで百合子が断髪した時期は、昭和にかかっているとしたマイ解釈とくらべるとだいぶ早いのですが…カフェの普及(風俗化)ぶりを考えると、大正化猫の時代背景はまさに大正だとゆーのがむしろ妥当ですね。っておい。


地上の鉄道はとっくに走っていたし、地下鉄工事がなかなか進まなかったのはおもに資金難が原因だったようですから、フィクションで早めに走らせてみました、と言われるとそうかも。自説くつがえっちゃいました感が…


解を変えるのももったいないたいへんなので、当面は拙サイトの記事は変えずにおいておきます。調べたことをこのブログに書いて、いずれは適当に、いや適宜にまとめてみたいです。


ラストまで、本ばかり紹介しててなんですが、

モダンガール論 (文春文庫)

モダンガール論 (文春文庫)

大正ロマン手帖」と併せて読むなら、この本おすすめ。すごく…面白かったです。アマゾンの書評が的を得ています。
断髪のモダンガール―42人の大正快女伝

断髪のモダンガール―42人の大正快女伝

この本のいちばん最初に出てくるモガが、望月百合子なのでした。わたし、「断髪〜」は去年見つけて図書館で借りたものの、読む暇なく返してしまったんです。う〜あのとき読んでおれば、せめて去年のうちにネタがあげられたのに…いや書けたかどうかわからんけど。。。