ホワイト・エレファント

むりやりのっぺらぼうネタ。むりやりすぎてまちがっていました。これを書いたとき、私は「のっぺらぼう」に出てきたゾウさんの色を、白と勘違いしていました。(正しくは、青)


白い象=「ホワイト・エレファント」の、英語(正確には米語)慣用句ウンチクです。ある意味、どこかでさんざん既出かとは思われますが。。。



ウィクショナリー日本語版によると
white elephant とは
「白象。アルビノの象。 (イディオム)もてあます褒賞。無用の長物。」
とあります。

中世のシャムにおいて、国王が気に入らない臣下に褒美として聖獣とされる白象を下賜し、その家臣が、象を働かせるわけにもいかず、世話に費用がかかり、大変困窮したという故事(伝説?)より。

http://ja.wiktionary.org/wiki/white_elephant



ウィキペディアだと、もう少し詳しい。


http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E8%B1%A1_(%E5%8B%95%E7%89%A9)

(米メジャーリーグチーム)オークランド・アスレチックスのシンボルマークである。

ここで、なぜかMLB。じつは、この一文が、今回のまとめに貢献しております。


私、今はIL*1の二次小説を書くつもりで*2現在、情報集めしています。今はおもに剣術とM&Aとスポーツビジネスに関する一般書を読んでいます。で偶然この「白象マーク」ネタにたどりつきました。

1905年のワールドシリーズで対戦したニューヨーク・ジャイアンツ(当時)の監督ジョン・マグローが、新興ア・リーグのアスレチックスのことを「白い象のような意味のない存在(白象には「無用の長物」という意味がある)」とさげすんだことにちなんで、自嘲をこめてマスコットとしたもの。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%83%AC%E3%83%81%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9#.E7.99.BD.E3.81.84.E8.B1.A1




うーん、白い象か。。。
薬売りが乗っかっていた、逆さまの白いゾウが目に浮かびます。
アスレチックスはけなされたのね。じゃ、ごく一般にいう「ホワイト・エレファント」て、どんなかんじ?
もちろん知りません。上掲のウィキ記事もあとで引いたものです。ともかく、ヒットしたページから大体わかりました。たとえばこちら。



桑原政則オンラインより

「white elephant(白象)とは?」
象はタイでは、日常生活ばかりでなく、戦争に欠いてはならない重要なもので、勝敗の分かれ目は象部隊の活用如何にありました。また、象は王様が乗るので、高貴な動物とされていました。
象のなかでも、とくに白象は王者の象徴で、神聖視されています。白象には偉大な王の霊が宿るとされているからです。
白象は、他の象(チャーン)と区別して、プアックと特別の名前でよばれています。また「白象勲章」という勲章もあります。

http://www.aoikuma.com/welephant.htm



英語勉強系サイトのワンダーランド eigo★21
「気まぐれ英語慣用句 色を使う慣用句(12)」より

 a white elephant 「無用の長物, 維持費がかかって持て余すもの」

白い象はタイやラオスでは崇拝の対象で
両国の国旗にはかつて白象が描かれていました。
(省略)
white elephant はタイの王が白い象の中でも
例えば見た目が悪いなどあまり価値のないものを
敵への贈り物として献上したことに起源があります。

http://www.eigo21.com/



関連ないけど、同ページにはこんな慣用句も…。

see pink elephants 「酔っ払って幻覚が見える」
直訳: ピンク色の象を見る
かつては酔っ払って見える幻覚を pink giraffe 「ピンクのキリン」と言ったようです。

話を戻すと。タイといえば「王様と私」。上手な外交政策により、ヨーロッパの植民地化をまぬがれ近代化をはかった国だそう。米英どっちの影響が強いかわからんけど、タイの慣習が米語のイディオムに残った経緯にも興味がわきますな。
ようするに、少なくとも近代以降、白いゾウは領土平定の象徴で、(総司令官としての)王様が乗って最前線で突撃した、じゃないわけです。もし、あきらかに他ゾウより強い(ナルニアアスラン的な)白ゾウの伝説でもあれば、話は別だったかもしれません。
それにしても、政治のかけひきなんて、似たような話に落ちちゃいますねぇ。。。



気を取り直して。多言語辞書http://eudict.com/によると
ホワイト・エレファントの日本語訳は


「有難迷惑」 ………。


http://eudict.com/?lang=engjpk&word=white+elephant&go=Search


☆ ☆ ☆


さて。のっぺらの白いゾウさんですが。普賢菩薩の暗喩(あるいは留守絵的表現?)や、象が逆さまで嘘、といった解釈を柱にして、さらに付け加えるに、


「有難迷惑」
「無用の長物」
「見かけ倒し」


……などと身もフタもない意味をフカしてみれば、あらふしぎ、薬売りのスカしっぷりがさらに壮大さを増す…気がしないでもないかもしれません。よ。



わけのわからないエントリを、最後までお読みいただいてありがとうございました。
そんな奇特なかたのために、拙文の最後は、文豪の描く白い象の景色を眺めて終わらせていただきましょう。まちがいなく気分が一新されます。


ghostbuster's book web.より 翻訳:ヘミングウェイ『白い象のような山並み』
http://f59.aaa.livedoor.jp/~walkinon/
拝借いたしました。

───もしわたしが何かを白い象みたいだ、って言っても、気に入ってくれる?


 

*1:アニメ「疾風!アイアンリーガー

*2:小説自体は若いころに完結しているのですが、最近読み返して、なんかむらむらと書き直したくなりました。あくまで「つもり」だけで、今のところはモノノ怪の解釈でやってきた勉強の延長みたいな感じです