短編小説:宿場小噺三様

もくじ

その一 目目連 2008-08-10 その二 鷽(うそ) 2008-08-22 その三 蛟(みづち) 2008-08-24 目目連を「めめれん」と最初読んだことは内緒だ。

その三 蛟

╋╋・‥… 蛟 …‥・╋╋ 蘆葉達磨も 芦の葉なくては渡れまい ───戯れ唄

その二 鷽

╋╋・‥… 鷽 …‥・╋╋

その一 目目連

目目連 さあっと小雨がすぎて砂埃の舞う往来をすっきりと濡らした。旅籠の提灯が宵闇にうかびあがった。呼びこみの鳴り物や、老若男女の罵声嬌声は途切れることがなく、宿場全体がいつまでも寝付かぬ子供のようにはしゃいでいた。