短編小説:『からかさと照』
モノノ怪で小説書きました。色気のカケラもない話ですがどうぞ読んでやって下さいませ。
雨の日には濡れて 晴れた日には乾いて 寒い日には震えてるのが当たり前だろう 次の日には忘れて 風の日には飛ぼうとしてみる そんなもんさ ───<風の日> ╋╋・‥… 序 …‥・╋╋ 薬売りは、田舎の畑地のあいだを縫う寂しい街道にいた。 大粒の雨が降っていた。 足…
╋╋・‥… 2 …‥・╋╋ 男は晴れやかな空藍の上衣をまとっていて、暗がりの中でも灯のようにほの明るかった。 高下駄に乗った姿は行者風でもあった。蓑笠ではなく、どこかの帳場からでも借りた風情の、粋な番傘をさしていた。傘は濡れてすっかり黒ずんでいた。 傘…
╋╋・‥… 3 …‥・╋╋
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╋╋・‥… 終 …‥・╋╋